アルテタアーセナルの新戦力通知表 その2 2021/22編
前回の記事では2020/21シーズンの選手獲得を評価したが、今回は今季の新加入選手たちについて書いていきたいと思う。当然ながらまだ獲得から1年も経っていない選手の評価を正しく下すことは非常に難しいため、あくまで暫定でのものだ。
まず最初に、2020/21シーズンの獲得も加えて新加入選手たちとその総合評価を一覧にしたものがこちらだ。あくまで主観的な評価なので、細かい点に関しては意見が分かれる所もあるだろうが、総合的に見て今季がとんでもない当たり年であるというのはアーセナルファンの意見が一致するところではないだろうか。
2020/21:
ガブリエル: S
パーティ: B
ウィリアン: D
ルナルソン: C
ライアン: B
2021/22:
ラムズデール: A
ホワイト: A
ウーデゴール: S
冨安: S
タヴァレス: B
ロコンガ: B
(一応補足しておくが、これはあくまで"選手獲得"の評価であって、選手自体のパフォーマンスの評価ではない。冨安とウーデゴールとガブリエルが、ホワイトやラムズデールより優れた選手だと言いたいわけではない。同様に、ロコンガやタヴァレスは限られた出場機会ので垣間見えるポテンシャルを評価しているだけなので、将来的にワールドクラスの選手になる可能性も十分にあるだろう。)
ラムズデール: A
現段階でのパフォーマンスの高さ: S
金銭面: B
将来性: A
獲得時点での前評判と比較すると、アーセナルファンが最も激烈に手のひら返しを行ったのがラムズデールだろう。当初は、プレミア経験豊富とはいえ降格チームでのプレイが多いこと、さらにこれらのチームではロングボールをかっ飛ばすことを要求されることが多く、ボールを後ろから繋いでいくようなチームでプレイしたことがないため、その足元の技術はスタッツなどには表れておらず、未知数だったことから獲得を不安視する声も上がっていた。
30m£に迫らんとするGKとしてはかなり高額の移籍金も相まって、ファンの多くは不安視していた、というよりも大反対だった、といった方が正しいかもしれない。
しかしふたを開けてみればこの獲得は大成功で、レノの控えから始めて少しずつ立場を上げていくどころか、いきなり正GKの座を勝ち取ると、それ以降一度もその座を手放してはいない。
ショートパスをつなぐ能力も悪くないし、特に圧巻なのはそのミドル~ロングパスの精度で、冷静に考えてみると、マンチェスター・シティのGKはエデルソンが務めているわけであり、なるほど、アルテタはこれを求めていたのか、と合点がいく。今やラムズデールの中長距離のパスはチームのボール前進に欠かせないものとなっている。マルティネッリはインタビューで、ラムズデールだからこそボールが出てくるという確信があり、裏に走る回数も増えている、と語ってもいた。
性格やキャラクター面でも今のチームにないものをもたらし、気づけばファンのお気に入りの選手となっており、次期キャプテン候補との呼び声も高い。ジョーダン・ピックフォードと並んでプレミアリーグ歴代5位の移籍金なので、GKとしては安いというわけではないが、十分にその価値はある獲得だったと言えそうだ。